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名古屋大学 理学部物理学科

実験設備

実験設備の紹介


V研の研究スタイルは、酸化物などの試料育成と自作した装置による輸送係数測定が中心となっています。その他にもいくつか商用ベースの測定装置を現有しており、物質の熱的・磁気的・電気的・光学的測定を一つの研究室で行うことができます。また新しい測定装置の開発も進めています。ここでは代表的な実験設備をご紹介いたします。

301室:試料成長室 Back to Top

1400度まで昇温可能な電気炉

試料を作製するための電気炉です。
固相反応法による多結晶試料や、flux法による単結晶試料、またFZ法のためのロッド作成の時に使用します。通常の小型の炉では1000℃までしか昇温できませんが、この炉は1400℃まで昇温できます。1000℃より高温で焼結試料を作成したいときはこの炉を使用します。

真空封かん設備(真空ポンプ、ガスバーナー、真空計)

非酸化物の単結晶育成時や還元雰囲気下での合成時の試料準備に使用します。原料や輸送材を入れた石英管を真空ポンプで減圧しながら真空封入することができます。

クリスタルシステム社製のフローティングゾーン電気炉

大型単結晶を作製するための装置です。
ハロゲンランプの光を楕円体ミラーで集光し、原料の一部分を高温にして融解します。ミラーをゆっくり動かすことにより、固相と液相との境界で液相が徐冷されるため、単結晶が積み重なるように成長します。
試料成形用のプレス機

手動で圧力をかけ、試料をペレット状やロッド状にすることができます。

305室:試料準備室 Back to Top

リガク社製のエックス線回折装置

粉末エックス線回折と単結晶のラウエ測定が行えます。                                                                                                                                                                                                                                                                                           

307室:物性計測室 Back to Top

カンタムデザイン社PPMS

7Tまで磁場を印加することができ、2~350Kの温度範囲で抵抗、比熱、ホール係数などの測定が行えます。また、専用のプローブと測定機器を併用することで、磁場の中での誘電率、強誘電分極測定が行えます。
電気抵抗、誘電率および熱起電力の測定システム

写真中央の電気炉を使用し、室温から800Kまでの温度領域で、電気抵抗率や誘電率、ゼーベック係数を測定するシステムです。ヘリウムベッセルも利用でき、4.2Kから室温までの輸送係数の測定も行えます。低温・高温用のプローブは自作しており、V研究室の物性計測の中心を担っています。

ビジョンセンシング社製赤外線サーモグラフィー

熱拡散率及び熱伝導率を測定する装置です。セットした試料に熱流を投入し、試料の温度変化を赤外線サーモグラフィーで直接読み取ることで測定を行います。0℃~100℃程度の温度変化に加えて、試料に電流を通電した状態での測定も可能です。

310室:分光計測室 Back to Top

小野測器製レーザー干渉変位計

レーザーを当てた対象との距離の変化、すなわち「変位」を測定する装置です。高精度(分解能0,155 nm)、高速応答(1秒あたり500回の測定)という特徴を持ち、物質が変形する様子を詳細に観測することができます。加えて、顕微鏡カメラと放射温度計を組み込むことでサンプル表面の撮影と温度測定を可能にしています。熱膨張や、電流による変形現象の測定に使用しています。


日本分光社製フーリエ変換型赤外顕微分光システム

クライオスタットと組み合わせることで、4~400Kの温度領域で赤外~可視領域の反射率を測定することができます。